ウラルのグミの木

イメージ 1
 
関鑑子訳の「川面静かに歌流れ」の出だしで一般的に知られる「ウラルのグミの木」という歌。 ロシア民謡と思われていますが、M.ピリペーンコ作詞、E.ローディギン作曲で、1953年のソ連の歌謡曲です。
 
実は原題”Уральская рябинушка”(ウラーリスカヤ リャビヌーシカ)の”рябинушка”とはナナカマドのことで、рябинушкаと同じ意味のрябина(リャビーナ)は、よく悲しみをもった女性の象徴として比喩的に使われます。
だから本当は「ウラルのナナカマド」というのが原題の直訳なのですが、ナナカマドでは言いにくいせいか、グミになっています。
 
ナナカマドはバラ科の落葉樹で、赤い実をつけます。 なぜナナカマドというかといえば、一般には「七回竈にいれても燃えない」燃えにくい木だからとされていますが、さすがに竈の高温では燃えるでしょう。 これを燃やして炭にすると、火持ちがいいとのことで、いわゆる備長炭の原料になっているそうです。

ところで、ソ連歌謡の「ウラルのグミの木」ですが、工場に働く女性が旋盤工と鍛冶工の2人の男性から求愛されて悩むという内容になっています。 その懊悩を抱いた女性の象徴が、”рябинушка”(ナナカマド)なのです。 訳詞には「風にゆらぐぐみの葉かげ 若者ふたり われを待つ」とありますが、まさかの3Pではもちろんないでしょう。 結局、同時に求愛されてどうなったのかは、歌詞にはかかれていません。
 
有名な歌なので、YouTubeにも、結構あがっています。 マリーナ・デヴャートバさんも歌っていますが、この人が歌うと明るい感じになりますので、本来の歌からはイメージが違うかも。 イメージに近いのは下の動画かな。