篠山音頭と江州音頭

夏を彩る丹波篠山のデカンショ祭り。 篠山城とその周辺は、祭り一色で、浴衣姿の人たちや川面に浮かぶ花火・・・ まさに日本の夏っていう感じですよね。
 
デカンショ祭りですから、みんなでデカンショ節で踊ります。
 
私ゃ丹波の かち栗育ち
ア ヨイヨイ
中に甘みも 渋もある
ヨーイヨーイ デッカンショ
 
デカンショ節は、本来篠山節といい、丹波篠山につたわる労働歌である、みつ節が原型だそうです。
その篠山節とまぎらわしいのですが、篠山音頭というのもあり、デカンショ祭りでも流れます。 
途中からで、しかも花火の音で聞きづらいですが、YouTubeにありました。
 
 
「ヨイトヨイヤマッカ、ドッコイショ」というのは、聞き取れます。
 
ところで、このメロディーですが、関西の人なら聞いたことがあると思いますが、江州音頭とよく似ています。 江州音頭滋賀県をはじめ、滋賀に近い京都府の地域、大阪府のほぼ全域、兵庫県の神戸あたりで、盆踊りでは定番になっています。
 
さすがに江州音頭YouTubeに沢山アップされており、どれを選べばいいか分からないくらいですが、上手な方を見つけました。 以下、志賀國天寿さんという音頭取りの師匠のものです。
 
 
掛け声は「ソリャー  ヨイトヨイヤマッカ、ドッコイサノセー」です。 太鼓をたたいている女性が美人です。
エレキギターの男性も、ちょっとカッコいいかも。 それにしても江州音頭といいながら、普通のバンドみたい。
ちなみに、江州音頭は桜川大龍という幕末から明治の人がはじめ、その音頭取りの系統を川北といい、桜川大龍を助けた奥村久左衛門の真鍮家という系統があり、のちに桜川大龍の弟子の桜川小龍が桶家という一派をたてたそうですが、現在は大龍の系統は5代目で絶え、残った桜川さん大ぜいと真鍮家さん、そのほか派生して出来た音頭取りさんが沢山だそうです。
 
志賀國天寿さんという方は、真鍮家の系統だったのですが、色々あって独立したとか。 音頭取りの世界も、政治家とか企業の中の派閥争いのようなこともあるのでしょうか。
 
話がそれましたが、どうも篠山音頭は祭文音頭というものをベースにしており、江州音頭も祭文音頭がベースですので、似ているようなのです。 祭文とは山伏、修験者が祈祷の時に読むもので、後になって俗世にくだった山伏(俗山伏)が門付け芸として仇討や心中ものなどを面白おかしく聞かせる歌祭文というのをやり、芸能化しました。 それが元々あった盆踊りで、音頭となって取りいれられていったようです。 俗山伏が芸としてやっていた時には、法螺貝と錫杖が楽器代わりで、法螺貝に口をあてて「デロレンデロレン」と口三味線をしたために、歌祭文は貝祭文、デロレン祭文ともいいます。
 
今も江州音頭では法螺貝と錫杖のわっかの部分をとった金杖がつきもので、音頭取りは金杖をふるって文字通り音頭をとるのです。
 
なお、山伏姿の音頭取りの方もYouTubeで見つけました。 三井寺観月舞台での江州音頭です。山伏姿の音頭取りは、三代目桜川富士丸さんで、桶家の師匠です。