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柿食へば 鐘が鳴るなり 法隆寺

柿は俳句の秋の季語になっていますが、柿の実は日本古来の秋の食べ物。

でも、渋柿を干して干し柿にしてから食べるなんて、初めて考えた人は偉い。干し柿は保存食というだけでなく、昔は砂糖が貴重だったので、果糖がある干し柿は甘味品として重宝されました。

昔から酔い覚ましには柿が良いとか言いますが、柿の中のタンニンやカタラーゼという成分がアルコールの分解を促します。だから、血中のアルコールの濃度を下げるのは本当です。身体の抵抗力や免疫機能を高めるビタミンCやAも含まれています。また柿には、美肌効果もあるという、女性にとってはうれしい効用もあります。それから、成人病予防にも有益だそうです。

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そのほか、柿の木は銘木として工芸品や茶道具の部材にも使われますし、柿渋は昔から塗料や染料に使われ、柿渋染めなんて、文字通り「しぶい」。

そもそも柿は古代中国で栽培され、日本には奈良時代に伝わったそうです。だから、柿は日本古来の植物といってもいいものです。

武田信玄も柿作りを奨励し、その頃から干し柿が食べられていました。ほうとうだけでなく、干し柿も陣中食として食べられていたらしいのです。もしかして、武田信玄干し柿を食べていたときに、上杉謙信が斬りこんでいたりして。「今食事中だから、ちょっと待ってよ」と、軍配団扇で防いだり・・・そんな訳ないか。