「偕行」にのっていた大正時代のフランス語混じりの変な軍歌
家におじいさんが読んでいた偕行社の会報「偕行」があるのですが、その平成15年6月号(第630号)に「『飛行機節』に見る大正初期の航空の姿」として八巻明彦さんという陸軍士官学校61期の軍歌研究家の方が書いた文章が載っています。
この「飛行機節」という軍歌は、日本陸軍でまだ航空兵科というものが確立していない頃の歌らしく、ところどころにフランス語がありますが、フランス人から飛行技術を習得していた時代のものだそうです。
飛行機節 1.雲の上から リャン ト リャン ループでトンノで リャン ト リャン ルツースマンで リャン ト リャン ヴリルで回って クールクル 光り輝く大空で ヤッコラ ドウジャ アラ ドウジャ 光り輝く大空で リャン リャン 2.編隊飛行で リャン ト リャン 翼を並べて リャン ト リャン 横隊縦隊 リャン ト リャン 円周飛行で クールクル 下界も見えぬ雲の上 ヤッコラ ドウジャ アラ ドウジャ 下界も見えぬ雲の上 リャン リャン 3.援護に阻塞に リャン ト リャン 四千五百で リャン ト リャン 索敵警戒 リャン ト リャン 敵が見えぬで キョロキョロ ノースウエストで風速二十 ヤッコラ ドウジャ アラ ドウジャ ノースウエストで風速二十 リャン リャン (以下省略:5番まであります)
すごいですねー。歌詞が滅茶苦茶というか、フランス語混じりの民謡みたいな感じ。
フランス語で「ループ」は宙返り、「トンノ」は横転という意味だそうで、最初の頃は陸軍の航空兵の人たちの技術用語はフランス語だったみたい。でも、「トンノ」って、イタリア語ではマグロという意味ですが、たしかに魚市場ではマグロは転がってます。
![イメージ 1](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/a/aikokunohana1938/20010101/20010101014300.jpg)
結構その当時の陸軍将校で航空関係の人は、飛行技術の習得のためにフランスに留学とかして、「ボンジュール マドモアゼル、オー シャンゼリゼ、トレビアン、スケベ シタイデス、オッパイ サワラセテクダサーイ」とか、ナンパしてたりして。まさかね。
なお、「リャン ト リャン」 などの囃し言葉は、何を意味するものか分からないそうです。民謡で近いものは三重県の民謡で「桑名の殿様」に「アリャリャーンリャン」というものがあるそうですが、全体的な字脚(歌詞の字数)、曲調ともに違うそうです。「アリャリャーンリャン」は、「アリャ」を派手に言っただけですね。
でも、「飛行機節」はなんかのんびりしているというか、すごくのどかな軍歌。
念のため、YouTubeで探してみましたが、当然のことながらなく、Yahooで検索しても該当する歌は出てきません。八巻明彦さんの名前は検索すると、さすがに軍歌の権威らしくたくさん出てきました。
あたしは、陸軍航空の軍歌では、「航空百日祭」が好きですけど。以下、YouTubeです。