唐獅子牡丹

牡丹の記事で、唐獅子牡丹について、ちょっとだけ書きましたが、京都で唐獅子牡丹の彫刻もある、西本願寺の唐門を見てきました。伏見城から移築したという門で、美しい彫刻がほどこされ、日暮し見ていても飽きないことから、「日暮しの門」とも言われます。それで、国宝になっています。

なお、西本願寺には行きましたが、あたしの家は門徒ではありません。実は丹波のあるお寺の檀家で、禅宗です。さっ、座禅を組んでと、・・・なんてね。

でも、本願寺って、大きいですね。あたしの行ったのは西本願寺で、御影堂は工事していましたが、その横の総御堂にあがっても、畳何畳か数え切れません。唐門までは、直接行けなかったので、いったんお寺を出て、迂回して唐門へ。

西本願寺の唐門>
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唐獅子は、獅子(ライオン)を中国風にしたもの。日本の狛犬も一緒です。

そもそも、唐獅子はなぜ牡丹のそばにいるかといえば、獅子の体毛に寄生している虫がいて、ほっとくと獅子の肉を食べてとんでもないことになります。その虫を「獅子身中の虫」といいますが、その虫は牡丹が夜露に濡れるとき、その牡丹から滴る露にあたると、死にますので、獅子は牡丹の花の陰で眠ります。
だから、いつも唐獅子は牡丹と一緒にいるのです。

なるほどね。「獅子身中の虫」は獅子の体にくっ付いて、血を吸っているだけでなく、肉まで食べるなんて怖いですね。転じて、身内のふりをして、内部から組織を崩壊させる害虫みたいな人をそういいます。
でも、それが牡丹の露で死ぬため、唐獅子にとっては牡丹は欠かせないもので、「いやー、健康のためには牡丹から離れられませんね。毎日青汁を飲んで、牡丹の陰で寝ています」とか言っているのかな。

唐門の破風の下に唐獅子牡丹の彫刻がありました。それも二つ対になっています。

<唐門の唐獅子牡丹1>
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<唐門の唐獅子牡丹2>
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唐門の扉のところは、牡丹と唐獅子が別になっていて、扉の細長いさんのような部分に牡丹が、四角い広めの板の部分に唐獅子が透かし彫りになっています。

<唐門の透かし彫りの唐獅子1>
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なんか、ワクワク気分。

<唐門の透かし彫りの唐獅子2>
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あれ? 子供獅子がお母さん獅子のおっぱい吸ってる。

<唐門の透かし彫りの唐獅子3>
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手をなめて、お行儀の悪い。なんかついてるのかな。

<唐門の透かし彫りの唐獅子4>
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育児で大忙し。お母さん獅子は大変。

ちいさい彫刻ですが、躍動感があります。さすが、国宝。