ロイド船級協会のロイドさん

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仕事で、「『ロイド船級協会』の検査」というのが資料に出てきたのですが、「ロイド船級協会」とは何か調べたら海員組合のHPに以下のようにありました。

「イギリスの船級協会で、世界で最初に開設された船級協会である。船級事業は、海上保険と密接な関係があり、従来は保険業者がその都度、船を調べて料率を決めていた。17世紀後半頃、イギリスではコーヒーが流行していた。あるコーヒー店(Lloyd's Coffee House)では、海運関係の人達が常連客で、海運や海上保険の情報交換の場になっていた。この店の主人(Edward Lloyd)はここに目をつけて、自ら情報を収集し、船名・所属・船長名・トン数・乗組員数・大砲の数などを記載したShip's Listを作成し、お客に提供した。この店の常連客である海上保険業者は、Corporation of Lloyd'sという組合を結成し船名録(Register of Shipping)を発行した。その後、船が増えるにつれて保険業者では船の状況判断ができなくなり、この組合は保険業者から分離独立し、現在のロイド船級協会(Lloyd's Register of Shipping)となった。船級協会は、船舶を検査し、保険・売買の基準となる等級(船級)を認定し、船名録の発行などを主要業務とする非営利団体である。 」

このコーヒー屋のエドワード・ロイドさんは、最初船の情報の壁新聞を作っていたのですが、ある日ガセ情報をつかんだのか、品質の高い評価をしていた船がダメージをうけ、お客からクレームを受けました。しかし、壁新聞をやめるわけにもいかず、元船長を雇って、船の本格的な品質審査に乗り出し、それが、お客のニーズに応じて船舶登録協会という形に成長したといいます。結局、コーヒー屋のご主人ロイドさんが始めた、情報産業のはしりのようなアイデア商法から発展して、船舶を検査し、保険・売買の基準となる等級(船級)を認定する団体になったんですね。1760年にできたそうですから、日本では宝暦10年、江戸時代の中頃でしょうか。さすが、歴史的海運王国、イギリス。日本で、それに相当する機関といえば、日本海事協会なのですが、その設立は1899年。つまり、ロイド船級協会ができた、約140年に、やっと日本で船級協会ができたことになります。

だけど、今で言う喫茶店のマスターが、お客さんの情報を収集して、船の資料集を作っていたんですから、ちょっと驚きです。でも、喫茶店には守秘義務はないのかしら。
今だと、「業務上知りえた顧客の情報を他人に開示してはならない」とか、いろいろ問題になりそう。

「ロイド船級協会」と関係ありませんが、ロイド眼鏡とは、喜劇役者のハロルド・ロイドがかけた丸眼鏡ということで、ハロルド・ロイドのロイドと、セルロイドのロイドの二重の意味があるそうです。

(写真はロイズ保険ビル)