STAP細胞とピルトダウン人捏造

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数々の疑惑を秘めたSTAP細胞ですが、論文に掲載された画像が捏造、偽装と分かった現在、STAP細胞の存在自体が信じられなくなりました。
STAP幹細胞は小保方さんが「作製」したという「STAP細胞」をもとに、若山教授が作製したといいますが、若山教授はオスの幹細胞しか作っていないというのに、ネイチャーの論文ではメスのSTAP幹細胞も載っています。そもそも若山教授が小保方さんにSTAP細胞の作製を依頼したときのマウスの遺伝子の系統と小保方さんから返ってきたマウスの遺伝子の系統が違っていたということも分かっており、論文だけでなく「STAP細胞」そのものの作製に別のES細胞か何かとのすり替えがあったといえるでしょう。
 
実は家に、昭和2年刊の「世界文化史大系」というH・G・ウェルズ著の全12巻の本があります。 お祖父さんが陸軍の学校に入る前に出た本ですが、多分お祖父さんは少年時代に読んだと思います。 その1巻目にピルトダウン人のことが載っていますが、これは1908年から10年くらいの間に頭骨や歯の付いた下顎骨などがイギリスのピルトダウンで「発見」され、原人の一種の化石人類と言われたものですが、頭の骨が割に発達しているのに下顎が原始的で、のちに化石というのが現人類の頭の骨を染色して古く見せかけ、オラウータンの下顎を接合部を加工するなどして一体のものと見せかけた偽物であることが分かりました。 はっきりしたのは、ずっと後、戦後になってからです。 戦前でも、北京原人ジャワ原人など、猿人から現人類の中間の原人たちの化石が発見されると、その進化の過程からみてピルトダウン人は他の人類の特徴から外れていることが明らかになったのですが、疑念はあっても当時の技術では科学的検証がなかなかできなかったのです。 だからウエルズのような人でも歴史の本に書かざるを得なかったのです。
ピルトダウン人が世の中にアピールしたのは、その頃大国であったイギリスで「発見」されたことが大きいと思います。 偽物を作ったのは、古生物学者のマーチン・ヒントンという人だそうですが、彼はもとは博物館の技師で、骨を加工する技術をもっていたのでした。 著名な学者たちを含めた多くの人が、ヒントンの詐術に乗せられて、ピルトダウン人を支持し、古生物学、人類学はひどく悪い影響を長くうけました。
 
STAP細胞」がピルトダウン人と同じように偽造なのか、どうかは時期がくれば分かると思います。 しかし、その騒動の影響は確実に出ており、日本の科学技術に対する信頼性が揺らぎつつあります。 
その責任を理化学研究所はどうとるのか、今後の動向が注目されます。