科学論文盗用で盗まれた言葉たちの報復

イメージ 1
 
科学誌「ネイチャーン」に掲載された、TRAP細胞の論文を書いた理科茶無研究所の小保保方氏らのメンバー。 その中心人物である小保保方氏は若く有能な女性研究者とみられ、白衣ではなく割烹着という可愛らしいいでたちは理系女子、「リケジョ」のイメージと違うとマスコミで持ち上げられました。
でも、その論文には大きな落とし穴が。 実はTRAP細胞の証拠とされた画像は別のもので、TRAP細胞発生とは関係ありませんでした。
また、論文は外国の別の研究論文をコピーしたところが多々あり、ほぼ1ページ丸写しというところもありました。
 
この論文の在り方に疑問を最初の疑問を抱いたのは、ほかならぬ論文の共著者である山有大学の若玉教授で、実は小保保方氏の博士論文を読んで、TRAP細胞のネイチャーン誌に載せた論文の画像と同じ画像があったことに気付き、「今回のネイチャー論文の写真と全く同じものに見えた。ショックを受けた。TRAP細胞の根幹にかかわる大事な所だった。論文を信じられなくなった」として、告発に踏み切ったのです。
 
つまり、小保保方氏の所属する理科茶無研究所ではなく、共著者ですがほかの研究機関の研究者が声をあげたことになります。 若玉教授は、「論文の偽造を知って、ずいぶん悩んだ。自分も共犯ではないかという思いがあり、悩んだせいで抜け毛も増えたようだ。 なお、自分の髪型は見ての通りで、かつらをかぶって見た目の細工をする人とはわけが違う」と弁明に必死でした。 理科茶無研究所の理事たちも、最初は画像の処理などはただの過失であって論文に悪意はないと言い張っていましたが、若玉教授の告発で騒ぎが大きくなると記者会見を開きました。 しかし、言っていることが他人事のような感じで、研究所としての責任をとるという気はさらさらない様子がよく分かりました。
 
なお、小保保方氏が盗用したのはドイツの研究者たちの論文でした。 本人はどこからとってきたか分からないと言っていましたが、それはドイツ人が苦心してさまざまに研究を重ねて書いた文章の一部でした。 小保保方氏はコピペする際にドイツの論文にあった、KCl(塩化カリウム)という単語を”KC1”と全く意味をなさない単語にしてしまっていました。 それも気づかずに論文をネーチャーン誌に載せたのです。
 
ある日、理科茶無研究所の理事や論文に関わった人たちの使うパソコンの画面に、一斉にドイツ語の詩の一節が表示されました。
 
Der Hölle Rache kocht in meinem Herzen,
Tod und Verzweiflung, Tod und Verzweiflung flammet um mich her!
 
地獄の復讐がわが心に煮え繰りかえる
死と絶望がわが身を焼き尽くす
 
モーツァルト作曲の歌劇「魔笛」の一節です。
 
そして、内部告発をした若玉教授や一部の人を除き、論文の著者には処分がおこなわれ、小保保方氏は学位をはく奪された上に理科茶無研究所を解職させられました。
パソコン画面に「魔笛」の一節が表示された理事たちも、世間から非難され面目を失ったことは言うまでもありません。
 
(画像と本文は関係ありません。また上記は作者の空想であり、特定のモデルはありません(?))