「日本維新の会」橋下共同代表、自民党高市議員らの発言にみる人権意識の欠如と堕落

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以前から、「日本維新の会」を名乗る政治集団が、TPP推進やさまざまな米国への追随など、いかに国民の正統な要求を踏みにじり、彼らの考え方の根底には自民党と同様な反国民的なものがあるか、を考えさせられることがありましたが、それは橋下共同代表の特異思想ゆえにと思うこともありました。しかし、この「日本維新の会」なるものは、組織の根幹が「大阪維新の会」のメンバーのように、もともと売国政党である自民党に所属していた者や、自民党にすら入れて貰えないような劣悪な亜流によって構成され、「たち上がれ日本」の石原元東京都知事ら右派政治家が加わったもので、もともとろくでもない集団でした。
自民党衆議院議員政調会長高市早苗などは、政府の主張とも対立し、いわゆる「村山談話」に異を唱えていますが、これは朝鮮半島などへの日本の植民地支配を肯定するようなネオナチばりの狂った考えですが、「日本維新の会」も同様の考え方です。
 
さらに、今回の「慰安婦」に関する一連の発言にみるように、女性を性の対象としか見ず、性の商品化を肯定するような、人権意識の欠落、反国民的な思想が、組織の根底にあることが分かりました。今回の、「日本維新の会」の主要メンバーの発言について、以下のような指摘があります。
 
日本共産党市田忠義書記局長は14日、国会内で記者会見し、日本維新の会橋下徹共同代表(大阪市長)の旧日本軍「慰安婦」問題をめぐる一連の発言について、『これほど人間の尊厳を踏みにじる発言を聞いたことはない。首長の資格はもちろん、国政を語る資格もまったくない。人間としても許されない』と厳しく批判しました。
 橋下氏は13日に『慰安婦制度は必要だ』と述べたあとも、ツイッターで『人間に、特に男に、性的な欲求を解消する策が必要』などと居直っています。
 市田氏は『失言ではない。持論をのべたものだ』と指摘。維新の石原慎太郎共同代表も『軍と売春は付き物だ』と同調し、松井一郎幹事長(大阪府知事)も『(慰安婦制度が)必要とされていた』と橋下氏と同じ考えを表明していることをあげ、『共同代表2人と幹事長がともにこういう発言をするのは、日本維新の会という政党の存立そのものが問われる重大問題だ』と厳しく批判しました。」(しんぶん赤旗 2013年5月15日)
 
旧日本軍がいわゆる「慰安婦」の募集や慰安所の開設に組織的に関与していたことは、旧軍の文書や関係者の証言で明らかでいわば常識になっておりますし、「慰安婦」は東北の農村からいったん遊郭などに売られてきたような日本人女性が殆どで、太平洋戦争が激しくなってきた頃に、兵隊の数も増え、需要が多くなってきたので朝鮮人女性の「慰安婦」を増やしたという経緯があります。 菊丸さんという日本人の元「慰安婦」の方の証言は新人物往来社の本の中にも出てきますし、国会でも日本人「慰安婦」の方の話が取り上げられています。
慰安婦」は年齢層でいえば、16歳から20歳くらいの殆どが日本人だったのに、それをあたかも「慰安婦」は朝鮮人女性ばかりだったかのような書き方をするマスコミもありますが、すごく変です。
橋下、高市は、その「慰安婦」は必要だった、日本軍国主義は正しかったと言っているのです。
 
若い女性が「慰安婦」にされた問題は、フィリピンやインドネシア、中国大陸であったように、現地の人を強制連行して「慰安婦」にした例がいくつかありますが、「慰安婦」の殆ど(全体の7割ほど)が日本人で、すでに遊郭に売られていた若い女性で、もっと待遇が良いからと聞かされてきた人や、全くの素人女性で軍の看護婦募集やなかには缶詰工場の労働者募集など、うその募集によって連れてこられた人が多かったようです。また朝鮮、台湾は日本の植民地でしたので、太平洋戦争の頃には、同様の手口で朝鮮人、台湾人の女性も慰安婦にされたわけです。
外地のある部隊では、日本人「慰安婦」の数が限られているので、将校には日本人「慰安婦」、下士官兵には朝鮮人慰安婦」、軍属には台湾人「慰安婦」をあてがっていたとか。
 
戦後、神楽坂の芸者から海軍の慰安所に売られたという、日本人「慰安婦」だった人が証言を行い、その話がきっかけで、千葉県館山市に「噫従軍慰安婦」の石碑が建てられました。
慰安婦」の問題は、「韓国」や中国などを相手にした国際問題でもありますが、主には国内の問題です。「慰安婦」のほとんどが日本人であったのに、そんなことは兵隊に行った人では常識だったのに、今はもっぱら国際問題としてしか語られません。
戦後60年以上たっているのに、いまだに旧軍の行った犯罪行為を正当化する人が「日本維新の会」やその母体である自民党の議員(女性議員も含めて)に大勢いる、今も沖縄に現代の慰安所をどんどん作って米軍に「活用」しろと言っている、本当にひどい話です。
 
橋下共同代表は大阪市長です。その大阪市で、多くの若い女性が「慰安婦」にされたことを正当だといっている市長に対し、リコール運動も何も起きない、唯々諾々として橋下市長の言うことを聞いて、むしろ同調している人がいるのには驚きを禁じえません。
大阪だけでなく、日本全体で人権意識が希薄になって、やれ改憲だ、自由解雇だと自民党が騒いでいるのを許している現状をみると、なんでここまで日本は落ちぶれたのかと情けなくなります。
私たちは、橋下、石原、松井、高市ら反動分子を社会的に包囲、抹殺するために、全力を尽くさねばなりません。