自民党敗北続きの地方選

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株の暴落に象徴されるように、アベノミクスの化けの皮がはがれてきた昨今ですが、参院選を前にした地方選で、自民党は次々と負けています。 今のところ内閣支持率は高いのですが、景気は決して良くなっていないし、地域で抱える問題に対して、利権ばかりの保守政治にあぐらをかいてきた自民党など保守勢力と、地域住民の意識とのギャップが広がっている表れだと思います。
 
千葉県では、5月26日の千葉市長選挙で、現職の熊谷俊人市長があっけなく再選されました。 共産党が推す候補者黒須康代さんは残念な結果でしたが、共産党はちゃんと候補者をたてて戦いました。 でも、自民党は自らの陣営の前市長が収賄で逮捕された後、民主党などが推す熊谷市長になってからは、市政において何もできず、ついに熊谷市長が改選を目指したこの選挙では候補者すら立てられず、不戦敗です。
なお、投票率は低く、31.35%で、前回を12.15ポイント下回っています。自民党が候補を立てなかったので、あるいは自民支持者の棄権が多かったか、熊谷市長がどうせ勝つと思って投票に行かない人が多かったかも。
 
  開票結果  熊谷俊人    175,126票
          黒須康代     30,087票
          今村敏昭     27,639票
 
さらに千葉県八千代市では、八千代革新懇などが支援した、「市民が主役の市政を実現する会」推薦の秋葉就一さんが市長に当選しました。 選挙は千葉市長選挙と同じ5月26日で、投票率は41,84%と低い状況でしたが、秋葉就一さんが自民党の推すはっとり友則候補に競り勝っています。
 
  開票結果  秋葉 就一     22,126票
          はっとり 友則   20,954票
          杉山 さとき     18,582票
 
この結果は、何を物語るのでしょうか。 八千代市は、最近では東京に通勤する住民が多くなり、ベットタウン化していますが、もともとは電車では京成電車だけが市の南部を通るような、どちらかというと田舎で保守色の強い地域でした。 前市長の豊田敏郎市長も保守系で、今回は豊田市長が国政に転じるとやらで、市政を投げ捨てた結果たたかわれた市長選でした。 豊田市長がやろうとした新川周辺の再開発プランが問題多く、市民から総スカンをくい、リコール運動にまで発展したため、参院選に逃げるかたちで、豊田市長は辞めました。 リコールされる前に逃げた訳です。
 
また、市長選挙の最中に、新川周辺都市整備計画の中心施設である「市立中央図書館・市民ギャラリー」の入札が行われたそうですが、これは不調となり業者も決まりませんでした。 豊田市長のやろうとした再開発の流れの一つですが、計画そのものが破たんしていたと言えます。ですから、ろくでもない箱もの行政を進めてきた保守系の市長に、市民がノーを突きつけたのが、今回の結果と言えると思います。
 
同じようなことは、全国各地で起きています。 5月19日のさいたま市長選挙でも、現職の清水勇人市長が自民・公明の推す長沼候補を大差で破っています。 小平市長選も、共産党が推した小林正則さんが大差で自民系を破って当選。 宝塚、丸亀、全国のいたるところで、自民党敗北です。
 
結局、昨年暮の総選挙は何だったのか、小選挙区制で相対的に得票の多かった自民党議席を得たけれど、それは投票率の低さと選挙制度に助けられただけで、世論を誘導したマスコミの支援をうけて、表面に出ていない金権不正選挙を行った結果の、ずる勝ちだった。 要するに昨年末の総選挙には、意味がなかったということです。
 
民主党は勝手にずっこけたのですが、マスコミの民主たたきとマスコミが持ち上げた第3極という勢力の潰し合いがあり、自民はそれを漁夫の利として議席を得ただけです。
選挙後も景気は上向くと幻想を与えられ、実際は賃金カットや雇用不安が増えただけです。 さらに消費税増税が待っておりますし、TPP参加による国内産業破壊の懸念もあります。 これが昨年末の総選挙で意味のない政権交代が行われた結果といえます。
 
地方選では、地方自治において自民党のやり方の中身があまりにひどいことに対して、ノーが突きつけられました。 これが即参院選で自民敗北に直結するかは、まだ分かりませんが、いいかげん自民党売国、反国民政治をやめさせないと、「失われた20年」の再来どころでなく、日本が破たんすることは目に見えています。