「脱原発」は正しい、手段もある

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脱原発」を菅総理が打ち上げ、枝野官房長官などの身内に反発されて、個人的見解と言い直しましたが、その方向性は正しいと思います。
 
脱原発」は、原発利権に群がってきた自民党や一部民主党の保守政治屋さんたち、インチキ政治を行ってきた人たちには、自分たちの権益に反する話だと思います。しかし、そんなくだらない欲望のために、国民の生存権が侵害されてはなりません。国民にとっては、原発を捨てるか、自分たちの命を捨てるかといる選択の問題なのです。
福島第一原発から80Kmも離れた場所の稲ワラが汚染されて高濃度のセシウムが検出され、それを食べた牛の肉からからも国の安全基準の越える濃度のセシウムが出ています。その肉が全国に流通し、かなり消費されてしまっています。このような事故は、今後も原発が残る限り続くでしょうし、今の行政の力では汚染拡大をおさえるどころか、汚染がどれだけ広がっているかを明らかにするのも時間がかかります。計測の道具がない、計測する人員がいない、そのための知識もない、ないない尽くしなのです。
 
ところで、今の原発は、その多くが昭和40年代、50年代に作られ、ただでさえ老朽化しており、いつ暴走するか分らないものだらけです。一旦暴走し核爆発になれば、もう止めることはできず、多くの国民が死ぬでしょう。最近関西電力大飯原発を「手動」で止める事態となりましたが、このような緊急停止をしないといけないような原発は極めて危険であり、再稼働させるなどもってのほかです。老朽化では特に配管が、接合部分の強度が低下しているため、そこ水漏れするなど危険性が高まっています。
 
しかも、老朽化しているだけではありません。浜岡原発のように活断層の上に建っているものもあり、地震がおきればとんでもないことになりかねない。それが安全対策をおろそかにしていて、海岸にある原発は、福島第一原発のように、3m程度の津波しか想定していないものが多いのです。 
 
原発を廃棄して、未来に禍根を残さないという方向性は正しいと思います。では、どのように実現するのでしょうか。
 
ソーラー発電、風力発電は建設する、設置するためのコストがかかり、一気にできるとは思えません。
有力なのは、やはり電力会社ではない会社が作りだしている電力をみんなで使う、自家発電を大いに活用する、自然発電を有効に利用するために、発電と送電の分離を行うという対策でしょう。
 
製鉄会社((高炉)の炉頂圧発電だけで相当なものがあります。内燃力発電の排熱を利用するコンバインドサイクル発電というのもあります。もともと高炉は鉄鉱石を焼き固めた焼結鉱、コークスを高温で燃やしている訳ですから、あなたに火力発電所を稼働させるわけではありません。排熱はいたるところで出ますが、昔は廃温水の温度を利用し、うなぎを飼っていたそうです。
 
例えば千葉では、製鉄所の発電で以下の記事がありました。
「「JFEスチールは30日、電力卸売事業(IPP)を営む千葉市中央区発電所を、7月1日から8月11日までフル稼働させると発表した。夏場の電力ひっ迫を受けて、販売先である東京電力からの要請があったため。
 千葉のIPP発電は出力39万800キロワット。液化天然ガス(LNG)を燃料とするコンバインドサイクル発電。通常は月曜日から金曜日までの昼間12時間のみ稼働しているが、要請を受けて土日と夜間も運転。通常の3倍の電力量を東電に販売することになる。」(2011年06月30日 日刊工業新聞
その前には、お隣茨城県住友金属鹿嶋製鉄所で、同じような発表がありました。
 
また自家発電も、一つ一つの電力供給は少ないでしょうが、積み重ねると原発全体をゆうに上回るそうです。
 
それから、日本では国内を10の地域に分け、それぞれ一社の電力会社(北海道電力東北電力東京電力北陸電力関西電力中部電力中国電力四国電力九州電力沖縄電力)が電力供給を独占する体制ですが、発電と送電を分離すれば、日本において、太陽光や風力などの再生可能な自然エネルギーの導入に道を開くことになります。