老朽化し、欠陥だらけだった福島第一原発
しかも、「東京電力によりますと、21日から翌日にかけて、福島第一原子力発電所の敷地内の5か所で土壌を採取し、外部の専門機関で分析を行いました。その結果、1号機から西北西におよそ500メートルにあるグラウンド付近と、同じ1号機から北に500メートルにある固体廃棄物貯蔵庫の付近の2か所で、今回の事故に伴って放出されたとみられる微量のプルトニウムが検出されたということです。東京電力によりますと、検出されたのは、プルトニウムの仲間でプルトニウム238と239、それに240の3種類でグラウンド付近の場合、このうちのプルトニウム238が1キログラム当たり、およそ0.54ベクレル検出されました。」(NHK 3月29日 4時50分)
半減期が2万4千年のプルトニウムは、とんでもない毒性です。それがいくら微量とはいえ出てきたのですから、とんでもない問題なのに、なぜ政府はその問題に踏み込んで発表なりしないのでしょうか。東電は、情報をなかなか公にしません。また枝野官房長官が指摘したように、一旦出した数字をすぐ間違いだったと変えたりします。情報公開について、真摯な態度とはいえません。
とにかく情報公開が余りにも遅く、情報を隠してわざと小出しにしているように思います。また、根本的に、別の物質と取り違えたのか何か知りませんが、数字の計算もロクにできない人たちにどうしてずっと調査や対策の検討などさせているのかが良く分かりません。東電ではなく、またいい加減な御用学者とかではなく、もっと原発に詳しく有効な対策を考えられる専門家を海外からでもいいから連れてきて、調査検討をしてもらったらどうでしょうか。
東電はずっと下請けには危険な作業をさせ、自分たちは楽をしてきました。早い話が、下請けに社業の全部に近いことを丸投げし、いかにピンはねするかが最近の東電の経営者の最大の関心事で、利用者や下請け会社の作業員などは全然目に入っていません。それで、安全教育もしないで、下請け会社の社員に危険な作業をさせていました。つい最近も、福島第一原発で下請け作業員3名が汚染された水に触れて被爆しましたが、うち2人は長靴をはいていなかったんだそうです。ひどい話です。
燃料棒はひび割れ、冷却ポンプの性能も低い。3.6m以上の津波が来ることは想定されず、原子炉自体の耐久性にも不安があれば、そこから放射線が漏れれば大変なのですが、今は水素爆発やら、屋外への放射能漏れも起きていますし、もっとひどいことになっています。
「日本共産党の吉井英勝衆院議員は十七日、福島県双葉町と大熊町にまたがる東京電力福島第一原子力発電所(1―6号機)を訪れ、津波の引き波で取水不能が心配される冷却用海水の取水設備や、ひびが多発している制御棒を視察しました。同原発の杉山一弥副所長らが案内しました。
海岸に面した取水口の深さが約四メートルであることを確認した吉井議員は、『もし、四メートル以上の引き波がきたら、取水する海底が干上がってしまう。過去には三陸海岸で六メートルの引き波の記録がある。深刻な問題だ』と指摘しました。
しかも、取水口から入ってきた海水を取り込むポンプは、二・三五―二・九二メートル以上の引き波で取水できなくなります。
東電側は、想定している引き波は最大三・六メートルと説明。『最大で十分程度取水できなくなる』と認め、その場合には非常用の冷却設備を作動させる決まりだと答えました。
5号機の原子炉建屋内では、ひびが発生した使用済みハフニウム板型制御棒の実物を視察。制御棒が破損し、ステンレス破片がめくれ落ちたことについて、『安全上問題ない』とする東電側にたいし、『もし運転中に原子炉内を循環するということにでもなれば重大だ』と述べました。」
今回非常用の冷却設備も作動しなくなり、今日の事態に陥っていますが、長年の東電のもうけ主義、親方日の丸の無責任さが大惨事を引き起こしました。それも、原発と東電の経営を支えた自民党中心の原発推進政策があったればこそで、原発推進通産官僚の息のかかった大甘の原子力安全保安院を作ってきたのです。
そして、原発をクリーンエネルギーと呼び、お先棒をかついだマスコミにもおおきな責任があります。