篠山節考

一般に「デカンショ節」といわれる篠山節。

丹波篠山を代表する民謡であり、氷上あたりでも歌われ、丹波全域でメジャーかな?
もちろん、全国でもよく知られていますよね。丹波といえば、丹波栗、立杭焼ボタン鍋丹波の赤鬼といわれた赤井悪右衛門(意外にあたしの先祖だったりして)とか、京都丹波では亀岡渓山閣?

あまり調子に乗ると、またYahooから怒られるので、やめときます。

ところで、この「デカンショ節」のルーツは江戸時代から歌われてきた「みつ節」という民謡だそうです。

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デカンショ節」の歌詞は、一般的には以下のようになります。

丹波篠山 山家の猿が
ア ヨイヨイ
花のお江戸で 芝居する
ヨーイヨーイ デッカンショ

酒は飲め飲め 茶釜でわかせ
ア ヨイヨイ
お神酒あがらぬ 神はない
ヨーイヨーイ デッカンショ

霧の海から 丹波の富士が
ア ヨイヨイ
ぼかし絵の様に 浮び出る
ヨーイヨーイ デッカンショ

灘のお酒は どなたが造る
ア ヨイヨイ
おらが自慢の 丹波杜氏
ヨーイヨーイ デッカンショ

雪はちらちら 丹波の宿に
ア ヨイヨイ
猪がとびこむ 牡丹鍋
ヨーイヨーイ デッカンショ

デカンショデカンショで 半年暮らす
ア ヨイヨイ
あとの半年寝て暮らす
ヨーイヨーイ デッカンショ

丹波篠山 鳳鳴の塾で
ア ヨイヨイ
文武きたえし美少年
ヨーイヨーイ デッカンショ

寒さしのんで 作りし酒で
ア ヨイヨイ
春は三三九度の式
ヨーイヨーイ デッカンショ

私ゃ丹波の かち栗育ち
ア ヨイヨイ
中に甘みも 渋もある
ヨーイヨーイ デッカンショ

・・・

これがみつ節では、

盆のお月さんは まんまるこてまるい
丸てまんまるこて 尚まるい
ヨーイヨーイ ヤットコセ

破れふんどしや 将棋のこまよ
角と思たら金が出た
ヨーイヨーイ ヤットコセ

寺の和尚さんが ばくちにまけて
いのか 走ろか 寺売ろか
ヨーイヨーイ ヤットコセ

・・・
となっていて、デッカンショの部分がヤットコセになっている位で、曲調は同じです。デカンショ節の豪放磊落な感じではなく、素朴でユーモアあふれ、ちょっとお下品な部分もあります。これはもともと、「みつ節」が労働する人の憂さ晴らしで歌われた、日本によくある民謡の一典型だからです。

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この丹波に昔からあった「みつ節」という民謡を、東京に寄宿していた丹波の学生がよく歌っていて、千葉の海水浴場で東京の一高の学生と合宿したときに、コラボレーションで生まれたのが「デカンショ節」だそうです。旧篠山藩主青山忠誠(ただしげ)の子忠允(ただこと)も、東京で歌っていたとか。だから、「デカンショ節」自体は、明治にできた新しい民謡。

でも、そのルーツは、「みつ節」であり、本来「デカンショ節」は単なる流行歌などではなく、民衆の生活に根ざした歌なのです。「デカンショ」も「デカルト、カント、ショーペンハウエル」の略というのは、後からのこじつけで、ドッコイショ→デコンショ→デカンショになったようです。
また、「みつ節」の名残りで、篠山市のHPなどには出ていませんが、「白いところに しょんぼり黒い 雪に茶かすを 捨てたよな」というようなちょっとエッチな歌詞もあります。