救世軍って何?

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森兵男さんのご親戚だそうですが、mori-chanさんのブログ「夜霧の古城」(URLは以下)
http://mori-chan.cocolog-nifty.com/kojyo/2007/01/post_8059.html
に、救世軍の話が少し出ていました。

その「三重海軍航空隊跡を訪ねて」という記事のなかで、「都会の真ん中で救世軍の炊き出しの鍋で飢えをしのぐ」というmori-chanさんのお父さん、森兵男さんからいうと従兄弟?にあたる方の終戦直後の体験が書かれていました。
この「救世軍」とは何かということなのですが、一言でいえばイギリスでウィリアム・ブースにより作られた、プロテスタント系のキリスト教の一派です。あたしも、救世軍を銀座で見たことがあります。その「本営」という建物が、神保町の岩波書店の近いところに建っています。

あたしが見たときは、ラッパかなにかで演奏して、歳末助け合い募金をしていました。これは「社会鍋」という、歳末恒例のもの。もしかして、俳句の季語になっていたりして、と思い、調べたらやっぱりありました。

季語    ルビ     傍題・異名・種類    一言解説

社会鍋 しゃかいなべ 慈善鍋 救世軍の年末の事業

出典:「俳句歳時記」 http://www5c.biglobe.ne.jp/~fuga/haikusaijiki/

この救世軍は、イギリスでできたキリスト教の一派で、1865年にイギリスのメソジスト教会の牧師、ウィリアム・ブースと妻キャサリンによって、ロンドン東部の貧しい労働者階級に伝道するために設立されたということですから、日本でいえば幕末にできたキリスト教会になります。
日本でも明治時代の終り頃から活動していて、「廃娼運動」つまり、遊郭にいた女性の解放運動をやった一派で、当時としては画期的でした。

よく、「♪信じるものは誰も、皆救われる」という歌の一節が歌われますが、それは救世軍がよく演奏し歌っていました。

それくらい、古くから日本に定着しているキリスト教の一派なのです。軍服を着ていますので、見た目がちょっと変ですが、中身は非常にまじめで、別に右翼的でもないです。

日本では古くから布教していましたので、信者も有名なひとがおり、自由民権運動家の村松愛蔵・落合寅市、変わったところではヤマト運輸の元社長も信者でした。

軍服だけでなく、教会組織も軍隊方式で、牧師は士官、教会の従事者は下士官、一般信者は兵士で、それぞれ階級があり、軍友というのもあります。また、社会福祉や災害救援などにも、非常に熱心で、阪神大震災のときもいち早く駆けつけました。今はアルコール依存症の人の救済、ホームレスの救援で、有名かもしれません。政治には関わるまいとしているようで、見た目とちがって穏健です。

ときどき、その格好が絵になるせいか、映画にも出てきます。ミスター・ビーンとか、コメディに出てくるのはやむを得ないかな。救世軍武闘派が反乱し、それを鎮圧するためにデコボコ軍団が大活躍というハチャメチャなものもあります。でも、福祉をやっていることから、その関係で救世軍女性士官との恋なんてラブストーリーもあるようです。