「上方」って何が「上」なの
江戸時代を舞台とした時代劇などで、関西を「上方(かみがた)」といいますが、なぜ「上(かみ)」の方なのでしょうか。
どうも、東京に遷都されるまでは、日本は京都に天皇がいて、そのため京都をはじめとする畿内など関西を上方筋(かみがたすじ)といったらしいのです。ちなみに丹波は五畿内(大和国・山城国・摂津国・河内国・和泉国)にはいりませんが、近江国・丹波国・播磨国は三州といって、三州も含めて上方といったのです。そういえば、天皇は「お上(おかみ)」と呼ばれていました。
すると、「おかみさん」は偉いのかな。「おかみさん、時間ですよ」なんて言って、お使い立てしちゃ、駄目かもね。YouTubeに「時間ですよ」の昔のテレビシーンの一部がありました。堺マチャアキさんとか、浅田美代子さんとか、みんな若い。ほんわかして、いいドラマみたい。昔は普通のドラマで、女の人の裸を出しちゃって良かったのかな。銭湯の番台に座った堺マチャアキさんに女の人がおっぱいとか、わざと見せて、「あーら、ごめんなさーい」だって。それを見たマチャアキさんの表情が面白い。それはともかくとして。
「上」がエライという意味をもつなら、京都の上京区も、北で地図の上のほうだから、「上京」ではなく、御所にちかいから、「上京」なんでしょう。反対に、下京区なんて、お公家さんなどからみたら、どうでもいい地域だったのかもしれません。
地名で「上なんとか」、「下なんとか」というのも、たしかに「上」がつくといっても北とは限りません。たとえば、上諏訪、下諏訪など、下諏訪のほうが北にあります。東京の上北沢駅は下北沢駅の西ですし、高井戸の南に上高井戸があり、上高井戸と下高井戸の位置関係は南北ではなく、西に上高井戸、東に下高井戸となっています。なにか理由があるのでしょうが、よく分かりません。ちなみに、下北沢という町名は東京にはありません。町名であるのは、北沢と上北沢だけです。また北沢と上北沢の間には松原とか別の町名の場所があります。
今の世の中では、「上方」が御所がある京都に近いからエライとか言っても、ピンときませんし、東京人としては、ちょっとカチンときますよね。あたしは、東京生まれですが、DNA100%が丹波系関西人・兵庫族なので、「上方」でも「下方」でもどうでもいいのですが。「下方」なんてないか。
(写真は道頓堀)